2014年8月22日金曜日

歯形計算モードと方式

画面の右上をみると、{ワイヤカット切削歯形モード}と{ホブ・ラック創成歯形モード}そして{転位時頂げき一定方式}と{転位時歯たけ一定方式}の表示がありますが、それぞれが、トグルの選択になっています。{ワイヤカット切削歯形モード}は、転位時の歯車理論計算から得た歯形を得るモードです。転位時のホブ切削歯形は歯底円径が増減するものですが、現在の歯車理論の計算式はこの増減に対応できず、計算理論に沿った歯形を得ようとすれば、CNC(数値制御}加工機の一種である、ワイヤーカット加工法の採用が必須になります。この方式であれば、転位の有無、バックラッシのための円周歯厚の削減にも歯底円径を計算理論値に沿った形状に対応可能になります。
もう一つの選択のペア{転位時頂げき一定方式}と{転位時歯たけ一定方式}の選択は、歯車参考文献に応じて歯形計算式が異なることに対応した方式です。例えば、理工学社発行の{JISに基づく機械設計製図便覧}は歯たけ一定方式、同じ理工学社発行の{パソコンによる歯車の設計計算}は頂げき一定方式の計算式を採用しています。平たく言えば、コンタミによる歯車の損傷防止優先かかみ合い率優先か、の選択です。転位歯車の頂げきの量を左右する項目です。ただ、標準歯車の場合はどちらの方式でも同じ結果になります。転位時頂げき一定方式}と{転位時歯たけ一定方式}の計算結果は中心距離の算出値が異なるので、ここも留意する必要があります。
本ソフトでは、{ホブ・ラック創成歯形モード}と{転位時頂げき一定方式}の組合せは採用していません。{ホブ・ラック創成歯形モード}については後述します。

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